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コラム

IT導入補助金2026の採択率は何%?通常枠は約4割、3回累計の実績

IT導入補助金(現・デジタル化・AI導入補助金2026)の採択率は、通常枠が1〜3次の累計で約43%、セキュリティ対策推進枠は7割超、インボイス枠は約49%です。公式が公表する申請数・交付決定数から枠別に計算し、直近の締切日も整理します。

公開日:2026年7月28日更新日:2026年9月30日

執筆・編集:malna編集部(編集方針)

IT導入補助金(2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」)の採択率は、通常枠で約4割、セキュリティ対策推進枠で7割強、インボイス枠(インボイス対応類型)で約5割です。全体をひとつの数字にまとめると実態がつかめないため、本記事では公式が公表している申請数と交付決定数から、枠ごとに整理します。

本記事は2026年9月30日時点で確認できる公表データ(交付決定事業者一覧の更新日2026年9月2日、3次締切分まで)に基づいています。以降の締切分は順次追加されるため、最新の数字は公式サイトでご確認ください。

なお、以下の「割合」はすべて当方が公表値(申請数・交付決定数)から計算したものです。公式サイトが「採択率」として公表している数値ではありません。

枠ごとの実績(1〜3次)

表は横にスクロールできます。

交付決定日締切申請枠申請数交付決定数割合
2026年6月18日1次通常枠2,028891約43.9%
2026年6月18日1次インボイス枠(インボイス対応類型)4,3242,027約46.9%
2026年6月18日1次インボイス枠(電子取引類型)00—
2026年6月18日1次セキュリティ対策推進枠8864約72.7%
2026年7月23日1次複数者連携デジタル化・AI導入枠21—
2026年7月23日2次通常枠1,879819約43.6%
2026年7月23日2次インボイス枠(インボイス対応類型)3,7902,096約55.3%
2026年7月23日2次インボイス枠(電子取引類型)00—
2026年7月23日2次セキュリティ対策推進枠2820約71.4%
2026年9月2日3次通常枠1,913807約42.2%
2026年9月2日3次インボイス枠(インボイス対応類型)3,9821,781約44.7%
2026年9月2日3次インボイス枠(電子取引類型)00—
2026年9月2日3次セキュリティ対策推進枠1813約72.2%

(出典: 中小企業基盤整備機構「交付決定事業者一覧・申請数および交付決定数」更新日2026年9月2日、2026年9月30日確認 https://it-shien.smrj.go.jp/download/grantdecision_list/ )

3回分を合算すると、次のとおりです(当方計算)。

表は横にスクロールできます。

申請枠申請数(累計)交付決定数(累計)割合
通常枠5,8202,517約43.2%
インボイス枠(インボイス対応類型)12,0965,904約48.8%
セキュリティ対策推進枠13497約72.4%
インボイス枠(電子取引類型)00—

この表から読めること

通常枠は4割強で安定しています。 1次43.9%、2次43.6%、3次42.2%と、ほぼ同じ水準で推移しており、半分以上が通っていません。「申請すれば大体通る」制度ではありません。

セキュリティ対策推進枠は7割強で、3回とも同水準です。 ただし申請数は88件、28件、18件と極端に少なく、回を追うごとに減っています。この枠は、独立行政法人情報処理推進機構が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスが対象で、補助額は5万円〜150万円です(出典: 中小企業基盤整備機構「セキュリティ対策推進枠」 https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/security/ )。対象が狭いぶん、要件に合う事業者が申請すれば通りやすい構造だと考えられます。

インボイス対応類型は申請数が最も多く、割合は回によって振れます。 1次46.9%、2次55.3%、3次44.7%と、10ポイント近く動いています。1回の数字だけで「通りやすい枠」と判断するのは避けたほうがよく、3回累計の約48.8%を目安にするのが妥当です。

電子取引類型は3回とも申請数がゼロです。 枠として用意されてはいるものの、実際には使われていません。この枠を前提に計画を立てるのは現実的ではないと考えられます。

「採択率が高い枠を狙う」は成立しない

数字だけ見るとセキュリティ対策推進枠が有利に見えますが、枠は自社の導入内容によって決まるもので、選べるものではありません。サイバーセキュリティお助け隊サービスを導入しないのに、この枠で申請することはできません。

現実的な読み方は逆で、「自社が該当する枠の水準を知り、それに見合った準備をする」ことです。通常枠を使うなら、半分以上が通っていない前提で事業計画を作る必要があります。

通常枠で求められる要件

通常枠の申請には、次の要件が公募要領(2026年8月28日更新版)に定められています。

要件内容
GビズIDプライム取得が必要
SECURITY ACTION★一つ星または★★二つ星の宣言
IT導入支援事業者ITツールはIT導入支援事業者が事務局に登録したものから選ぶ
業務プロセス補助額5万円〜150万円未満なら1プロセス以上、150万円〜450万円以下なら4プロセス以上
補助率1/2以内(一定の賃金条件を満たす場合は2/3以内)
労働生産性交付申請時点の翌事業年度以降3年間の事業計画で、1年後+3%以上かつ年平均成長率+3%以上
事業場内最低賃金交付申請の直近月に、地域別最低賃金以上であること
賃上げ(補助額150万円以上)事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にし、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3%以上とする計画を従業員に表明する

(出典: 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領」2026年8月28日更新 https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf 、および「通常枠」ページ https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/ )

過去に交付決定を受けた事業者は、要件が重くなります。 公募要領は、IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)・デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)、およびIT導入補助金2024・2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者について、労働生産性を1年後・年平均ともに+4%以上とするよう定めています。あわせて、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、補助額150万円未満の申請でも給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上と賃金引上げ計画の表明が要件になります。リピート申請の場合は計画の作り方が変わります。

ここまでの内容を、自社の依頼として整理してみませんか

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費用感と進め方を相談する

準備で時間がかかるところ

採択率そのものより、実務で効いてくるのは準備の順序です。

GビズIDプライムの取得には時間がかかります。 これは申請の前提になるため、締切から逆算して先に着手しておく必要があります。

IT導入支援事業者を先に決める必要があります。 補助対象は事務局に登録されたITツールに限られ、そのツールは登録済みのIT導入支援事業者が提供するものです。つまり「補助金を使いたい」と思った時点で、まず支援事業者を探すところから始まります。

交付決定前に契約・発注すると対象外です。 公募要領は補助対象外経費として「交付決定前に購入したITツール」を挙げています。急いで導入を進めてしまうと、要件を満たしていても補助を受けられません。ただし、2026年9月24日付の事務局のお知らせによると、令和9年4月の消費税率引き下げ方針を受け、スマートレジの導入やPOSレジの改修に限り、9月15日以降に事前着手して事後に申請できる「事前着手制度」が設けられます。公募要領は後日公開予定で、申請受付は2027年1月頃の予定とされています(出典: 中小企業基盤整備機構「9月24日更新 スマートレジの導入(事前着手制度)を行います」 https://it-shien.smrj.go.jp/news/40184 )。

直近の締切と、締切回制の仕組み

デジタル化・AI導入補助金2026は、締切回ごとに交付決定日と事業実施期間が設定される仕組みです。2026年9月30日時点の事業スケジュールでは、直近の締切は次のとおり公表されています。

項目日程
交付申請の締切2026年10月30日(金)17:00
交付決定日2026年12月10日(木)(予定)
事業実施期間交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定)
事業実績報告期限2027年5月31日(月)17:00(予定)

(出典: 中小企業基盤整備機構「事業スケジュール」2026年9月30日確認 https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/ )

同ページには、確定している募集回のスケジュールのみ公表し、以降は随時更新すると記載されています。締切は当日17:00で、超過した場合は理由を問わず受付されません。締切直前は申請マイページへのアクセスが集中するため、公式は日時に余裕をもった申請を求めています。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金2026の交付決定実績を見ると、通常枠は3回累計で約43%、セキュリティ対策推進枠は7割強、インボイス対応類型は約49%、電子取引類型は申請ゼロと、枠によって様相がまったく異なります。全体の採択率という数字には意味がありません。

自社が該当する枠を確認し、その水準に見合った事業計画を作ること。そしてGビズIDプライムの取得とIT導入支援事業者の選定を締切から逆算して進めること。この二つが、採択率を気にするより先に手をつけるべきところだと考えられます。

自社の業務のどこにAIを入れるべきかの整理から相談したい場合は、企業からのご相談もご検討ください。オンラインでの打ち合わせを基本としつつ、必要に応じて訪問しての対応も可能です。

なお本記事は公表データと公募要領を整理したものであり、個別の申請可否の判断は公式サイトおよびIT導入支援事業者にご確認ください。

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