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AI導入補助金でパソコンは買えるか。通常枠は対象外、インボイス枠は10万円まで

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)でパソコンを購入できるかは、申請する枠によって変わります。通常枠の補助対象経費にハードウェアは含まれず、インボイス対応類型でのみPC・タブレット等が上限10万円で対象になります。公募要領の記述で整理します。

公開日:2026年7月29日

執筆・編集:malna編集部(編集方針

「補助金でパソコンも買えますか」という質問は、AI導入の相談で頻繁に出てきます。答えは申請する枠によって変わります。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の通常枠では、そもそも補助対象経費にハードウェアが入っていません。本記事では、公募要領の記述をもとに枠ごとの扱いを整理します。

本記事は2026年7月29日時点の公募要領に基づいています。制度・上限額は変更されるため、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

結論:通常枠では買えない

公募要領に定められた枠ごとの補助対象経費を並べると、違いが明確になります。

枠・類型補助対象経費ハードウェア
通常枠ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、導入関連費含まれない
インボイス枠(インボイス対応類型)ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、ハードウェア関連費、導入関連費対象
インボイス枠(電子取引類型)ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)含まれない
セキュリティ対策推進枠サービス利用料(最大2年分)含まれない

(出典: 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領」 https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf

AIツールを導入するために通常枠で申請する場合、パソコンは補助対象になりません。 ソフトウェアとクラウド利用料、導入にかかる関連費が対象です。

インボイス対応類型なら10万円まで

ハードウェアが対象になるのはインボイス対応類型だけで、品目ごとに上限額が決まっています。

区分対象品目補助上限額補助率
PC・タブレット等PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機10万円以下1/2以内
レジ・券売機等POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機20万円以下1/2以内

(出典: 中小企業基盤整備機構「インボイス枠(インボイス対応類型)」 https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/digitalbase/

補助率1/2なので、10万円の補助を受けるには20万円分の購入が必要という計算になります。パソコン購入費のうち補助されるのは最大10万円までです。プリンター・スキャナー・複合機も同じ枠に含まれるため、複数買えば上限に早く達します。

ソフトウェアが主役で、ハードウェアは従

この類型で見落としやすいのが、次の条件です。

ハードウェアを補助対象として申請する場合は、そのハードウェアがソフトウェアの使用に資するものであること

さらにソフトウェアは必須で、「インボイス制度に対応しており、かつ『会計』『受発注』『決済』の機能を1種類以上有するソフトウェア」と定められています。補助額50万円超を狙う場合は2機能以上が要件になります。

つまりパソコン単体を買うための枠ではありません。 インボイス対応ソフトウェアを導入し、そのソフトウェアを使うために必要なハードウェアとして認められる構造です。「AIツールを入れたいのでPCも」という組み立てでは、この類型の要件を満たしません。

「汎用性があるもの」の扱い

もう一つ注意が必要なのが、他の補助金との違いです。中小企業省力化投資補助金(一般型)では、対象外経費として次が明記されています。

汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入費 (例)事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・スマートフォン・タブレット端末・カメラ(略) ※本事業でのみ使用が可能なものを除く。

(出典: 中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助事業(一般型)第7回公募要領」 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_guidelines_ippan_07.pdf

つまり省力化投資補助金では、事務用パソコンは名指しで対象外です。ただし「本事業でのみ使用が可能なものを除く」という但し書きがあり、その事業専用に閉じた使い方であれば例外が認められる構造になっています。

制度ごとにハードウェアの扱いが違うため、「補助金でPCが買えるか」は制度と枠を特定しないと答えが出ません。

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費用感と進め方を相談する

AI導入でパソコンが必要な場合の考え方

生成AIツールを使うだけであれば、既存のパソコンで動くことが多く、そもそもハードウェアの買い替えが必要ないケースもあります。判断の順序としては次のようになります。

  1. 導入したいAIツールの動作要件を確認する。 ブラウザで動くSaaSであれば、既存の端末で足りる場合があります
  2. 足りない場合、それが補助対象になる枠かを確認する。 通常枠では対象外です
  3. インボイス対応類型に該当する導入なのかを確認する。 会計・受発注・決済の機能要件があります
  4. 対象外の場合、ハードウェアは自己負担として計画に織り込む。 補助対象外の費用を含めた総額で投資判断をする

補助金の枠に合わせて導入内容を変えるのは順序が逆になりやすい部分です。まず自社の業務に必要なものを決めて、そのうえでどこまで補助対象になるかを確認するほうが、結果的に無駄が出にくくなります。

対象外経費もあわせて確認する

パソコン以外にも、通常枠で対象外になるものが公募要領に列挙されています。特に事故が起きやすいものを挙げます。

対象外補足
交付決定前に購入したITツール先に契約・発注すると対象になりません
リース・レンタル契約のITツールサイバーセキュリティお助け隊サービスを除く
中古品
対外的に無償で提供されているもの無料プランは該当すると考えられます
申請代行費
公租公課(消費税)

「先に買ってあとから申請する」は通りません。 これはハードウェアに限らず、すべての対象経費に共通する要件です。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金でパソコンが買えるかは、枠によって変わります。通常枠の補助対象経費にハードウェアは含まれず、インボイス対応類型でのみPC・タブレット等が上限10万円・補助率1/2以内で対象になります。ただしパソコン単体を買うための枠ではなく、インボイス対応ソフトウェアの導入に付随する形です。

省力化投資補助金では事務用パソコンが対象外経費に名指しされており、制度ごとに扱いが異なります。「補助金でPCが買えるか」という問いは、制度と枠を特定してから答えを出す必要があります。

AI導入で何にいくらかかるのか、どこまでが補助対象になるのかの整理から相談したい場合は、企業からのご相談もご検討ください。オンラインでの打ち合わせを基本としつつ、必要に応じて訪問しての対応も可能です。無料で使える公的窓口は都道府県別のページにまとめています。

なお本記事は公募要領の記述を整理したものであり、個別の経費が補助対象になるかの判断は、公式サイトおよびIT導入支援事業者にご確認ください。

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