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新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは|締切10月30日・上限額・統合の変更点

中小企業新事業進出補助金とものづくり補助金が統合された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募は、申請受付が2026年9月30日から、締切が10月30日18:00です。3つの枠の上限額・補助率、賃上げ要件と返還、申請支援業者の報酬に関する注意を公募要領(1.3版)から整理します。

公開日:2026年7月28日更新日:2026年9月30日

執筆・編集:malna編集部(編集方針)

「ものづくり補助金を使いたい」と調べ始めると、公式サイトで新規の公募が見つからず戸惑うことになります。2026年、この制度は中小企業新事業進出補助金と統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という新しい制度になりました。 第1回公募は、申請受付が2026年9月30日から、応募締切が2026年10月30日(金)18:00(厳守)です。本記事では、統合で何が変わったのか、3つの枠の違い、そして申請前に必ず時間がかかる準備事項を、公募要領に沿って整理します。

本記事は2026年9月30日時点の第1回公募要領(1.3版、2026年9月28日改訂)に基づいています。締切・制度内容は変更されるため、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

何が統合されたのか

旧・中小企業新事業進出補助金の公式サイトには、次のように明記されています。

本補助金の公募は終了しております 新規の受付は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」まで

(出典: 中小企業基盤整備機構「中小企業新事業進出補助金」 https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/ )

新制度の第1回公募は2026年6月29日に開始され、実施主体は独立行政法人中小企業基盤整備機構です。公式サイトは、この補助金が旧「中小企業新事業進出補助金」および「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる補助金であると案内しています(出典: 中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」2026年9月30日確認 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/ )。

旧称で検索して古い情報にたどり着くケースが多い時期です。参照している情報がいつ時点のものかを確認してから読むことをおすすめします。

第1回公募のスケジュール

公式サイトのスケジュール欄では、申請受付の開始日と応募締切が当初の予定から後ろに変更されています。

項目当初の予定現在の日程
公募開始2026年6月29日(月)変更なし
申請受付開始2026年8月31日(月)2026年9月30日(水)
応募締切2026年9月30日(水)18:002026年10月30日(金)18:00(厳守)
採択発表—2027年1月頃(予定)

(出典: 中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」2026年9月30日確認 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/ 、および第1回公募要領1.3版 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf )

公式サイトには、事業者向けポータルサイト(電子申請システム)の公開は9月30日18時になるという案内もあります。申請は電子申請システムでのみ受け付けられます。

3つの枠

表は横にスクロールできます。

枠概要補助上限額(カッコ内は賃上げ特例適用時)補助率補助事業実施期間
革新的新製品・サービス枠従来のものづくり補助金に相当。新製品・新サービス開発を支援1〜5人 750万円(850万円)/6〜20人 1,000万円(1,250万円)/21〜50人 1,500万円(2,500万円)/51人以上 2,500万円(3,500万円)。補助下限額100万円中小企業者1/2(2/3)、小規模企業・小規模事業者と再生事業者は2/3交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)
新事業進出枠既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援1〜20人 2,500万円(3,000万円)/21〜50人 4,000万円(5,000万円)/51〜100人 5,500万円(7,000万円)/101人以上 7,000万円(9,000万円)。補助下限額750万円中小企業者1/2(2/3)交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)
グローバル枠海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化新事業進出枠と同じ上限額。補助下限額750万円2/3交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)

(出典: 第1回公募要領1.3版。カッコ内の補助率は地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合。以下、枠の定義・基本要件・準備事項の引用はすべて同要領によります)

新事業進出枠には「新規性」の定義がある

新事業進出枠は、単に新しいことを始めれば対象になるわけではありません。公募要領は次の二つを求めています。

①事業で新たに製造又は提供する製品、商品もしくはサービスが、事業を行う中小企業等にとって、新規性を有するもの、かつ、②事業で新たに製造等する製品等の属する市場が、事業を行う中小企業等にとって、新たな市場であるもの

そして明確な除外規定があります。

過去に製造等していた製品等を再製造等することは、新たな製品等を製造等しているとは言えず、補助対象外です。

一度やめた事業の再開は対象外ということです。ここは計画段階で判断が分かれやすい部分です。あわせて、既存の製品等の製造量・提供量を増やすだけの場合や、既存の製品等と対象とする市場が同一の場合なども、該当しない例として挙げられています。

達成が求められる数値

補助事業終了後3〜5年の事業計画で、次の3つを満たす必要があります。

要件基準未達の場合
付加価値額年平均成長率 4.0%以上—
一人当たり給与支給総額年平均成長率 3.5%以上補助金の返還義務あり(目標値の未達成率に応じて返還。成長率がゼロまたはマイナスなら全額)
事業場内最低賃金毎年、地域別最低賃金より 30円以上 高い水準補助金の返還義務あり(補助金交付額を事業計画期間の年数で除した額)

付加価値額は「営業利益、人件費、減価償却費を足したもの」と定義されています。年平均成長率(CAGR)は複利計算で算出します。

賃上げ要件は未達だと返還義務が生じます。 さらに、従業員等に対して目標値を表明していなかった場合は、交付決定が取り消され、補助金全額の返還を求められます。補助金を受け取って終わりではなく、3〜5年にわたって給与を上げ続ける計画を立てることになります。この点を織り込まずに申請すると、後年に負担が来ます。なお、付加価値額が増加しておらず、かつ営業利益が赤字であるなど、事業者の責めに負わない理由がある場合は、返還を求めない例外も定められています。

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費用感と進め方を相談する

申請前に1〜3週間かかる準備がある

実務でいちばん事故が起きやすいのがここです。公募要領は準備事項について明確に警告しています。

GビズIDプライムアカウント

GビズIDプライムアカウントの発行には、1週間程度時間を要します。GビズIDプライムアカウントの取得手続きの遅れによる申請期限の延長等は一切認められません

一般事業主行動計画

本補助金の申請には、「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画の策定・公表が必要になります。 一般事業主行動計画の公表手続きには1〜2週間程度の期間を要します。(中略)遅れによる申請期限の延長等は一切認められません

合計すると、書類を書き始める前に2〜3週間の事前準備が要る計算です。締切が2026年10月30日である以上、9月30日時点で未着手の場合は、両方の手続きを今すぐ並行して進める必要があります。

申請支援業者の報酬について公募要領が触れている

この公募要領には、支援業者について踏み込んだ記述があります。「費用」「報酬体系」「怪しい」といった不安を持って調べる方が押さえておくべき点をまとめます。

近年、会社全体の事業計画を踏まえず、補助金獲得のみを目的として申請支援を行うコンサルティングが数多く見受けられます。会社全体の事業計画の策定支援等は、よろず支援拠点等の公的支援機関でも相談窓口がございますので、利用を検討ください。

制度側が公的な無料窓口の利用を勧めている点は注目に値します。よろず支援拠点は全国47都道府県に設置されており、無料で相談できます(都道府県別の相談先はこちら)。

公募要領が「不適切な行為の例」として挙げているのは、次のようなものです。

  • 提供するサービスの内容とかい離した高額な成功報酬等を申請者に請求する
  • 金額や条件が不透明な契約を締結する、強引な働きかけを行う
  • 費用の水増しなど申請書に虚偽の内容の記載を教唆する、または作成支援者名を記載しないように求める

また、事業計画の検討に外部の助言を受けること自体は差し支えないものの、事業計画は必ず申請者自身で作成する必要があり、作成自体を申請者以外が行うことは認められません。 発覚した場合は不採択、採択取消、交付決定取消となります。事業計画作成支援者がいる場合は、電子申請システムに支援者名・支援内容・報酬(予定)額・契約期間を記載することが求められます。トラブルが起きた場合の通報窓口も設置されています。

旧・ものづくり補助金の採択率(参考)

統合前のものづくり補助金の実績です。割合は当方が公表値から計算したもので、公式が採択率として公表している数値ではありません。

表は横にスクロールできます。

公募回応募採択割合(当方計算)
19次5,3361,698約31.8%
20次2,453825約33.6%
21次1,872638約34.1%
22次1,552582約37.5%
23次1,275448約35.1%

(出典: 全国中小企業団体中央会「ものづくり補助事業公式ホームページ 採択結果」2026年9月30日確認 https://portal.monodukuri-hojo.jp/saitaku.html )

3割台で推移しており、デジタル化・AI導入補助金の通常枠(約4割)や省力化投資補助金の一般型(第1〜6回で6〜7割)と比べて厳しい水準です。統合後の第1回は採択発表が2027年1月頃の予定のため、実績はまだありません。

まとめ

ものづくり補助金と中小企業新事業進出補助金は統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」になりました。第1回公募の締切は2026年10月30日(金)18:00で、旧称のままの解説記事が多く残っている時期なので、情報の日付に注意が必要です。

実務上のポイントは三つです。新事業進出枠には新規性の定義があり、過去に手掛けた事業の再開は対象外であること。賃上げ要件と事業場内最低賃金の要件は、未達だと返還義務が生じること。そしてGビズIDと一般事業主行動計画の準備に合計2〜3週間かかり、遅れは一切考慮されないこと。

締切から逆算すると、書類作成に入る前の準備期間を確保できるかが最初の分岐点になります。

事業計画そのものの整理は、まずよろず支援拠点などの公的窓口で無料相談するのが公募要領でも勧められています。そのうえで、AI活用や業務の自動化をどう組み込むかを具体化したい場合は、企業からのご相談もご検討ください。オンラインでの打ち合わせを基本としつつ、必要に応じて訪問しての対応も可能です。

なお本記事は公募要領の記述を整理したものであり、個別の申請可否や要件該当性の判断は、公式サイトおよび専門家にご確認ください。

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