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クリエイティブ×AI人材への依頼で確認すべき著作権・権利関係

AI生成を使うクリエイティブ人材に発注する企業向けに、著作権上の論点と、発注前・契約時に確認しておきたい実務チェックポイントを整理します。

公開日:2026年7月24日

執筆・編集:malna編集部(編集方針

クリエイティブ×AI人材への依頼で確認すべき著作権・権利関係

バナー制作やLPデザイン、動画編集などのクリエイティブ業務で、生成AIを活用する人材への発注を検討する企業が増えています。一方で、AI生成物には著作権をめぐる論点が複数あり、発注する企業側が何を確認すべきか分からないまま進めてしまうケースも見られます。この記事では、AI生成を用いるクリエイティブ人材に発注する際に、企業側が事前に確認しておきたい実務的なポイントを整理します。なお、著作権に関する最終的な法的判断は、本記事で行うものではありません。個別の契約や案件については、必ず弁護士など専門家に確認することをおすすめします。

なぜ「AI生成×クリエイティブ」で権利関係の確認が必要なのか

生成AIを使ったクリエイティブ制作では、主に2つの論点が議論されています。1つは、AIが生成した成果物に著作物性(著作権法上の保護を受けられるか)が認められるかどうかという論点です。人の創作的関与の度合いによって判断が分かれるとされており、現時点では一律の結論が定まっているわけではないと考えられます。もう1つは、生成物が既存の著作物と類似してしまうリスクです。学習データの影響や偶然の一致により、意図せず第三者の著作物に似た成果物が生成される可能性が指摘されています。

企業側から見ると、これらの論点は「納品された成果物を安心して使えるかどうか」に直結します。仮に成果物が第三者の権利を侵害していた場合、発注企業自身が広告掲載の差し止めや損害賠償請求といったリスクに晒される可能性があるため、発注前の確認が重要になります。

発注前に確認すべき3つの観点

AI生成を用いるクリエイティブ人材に発注する際は、大きく分けて次の3つの観点から確認しておくことをおすすめします。

1. 生成ツールの利用規約

生成AIツールごとに、生成物の商用利用可否や権利の扱いに関する規約が定められています。ツールによって規約の内容は異なり、商用利用が制限されている場合や、生成物の権利について特有の条件が付されている場合もあります。依頼する人材がどのツールを使用しているか、そのツールの利用規約上、商用利用や納品先への権利移転がどう扱われているかを確認しておく必要があります。

2. 既存著作物との類似性チェックの実施有無

生成物が既存の画像・イラスト・デザインと酷似していないかを確認する工程(類似性チェック)を、制作フローに組み込んでいるかどうかも重要な確認ポイントです。人材によっては、生成後に画像検索や目視での確認を行うなど独自の運用ルールを持っている場合があります。どのような確認を、どの段階で行っているかを事前にすり合わせておくと、納品後のトラブルを避けやすくなります。

3. 契約書での成果物の権利帰属の明記

業務委託契約では、成果物の著作権が発注企業側に帰属するのか、受託者側に留保される部分があるのかを、契約書上で明確に定めておく必要があります。AI生成物が関わる契約では、通常のクリエイティブ制作契約に加えて、生成AIの利用に関する条項(使用ツールの明示、第三者権利侵害が判明した場合の対応、責任の分担など)を盛り込むかどうかも論点になり得ます。契約条項の設計については、必ず弁護士など専門家に確認することをおすすめします。

発注前チェックリスト

これまでの内容を、発注前に確認する項目としてまとめます。

チェック項目確認する内容
使用ツールの把握依頼する人材がどの生成AIツールを使用しているか
利用規約の確認そのツールの規約で商用利用・権利の扱いがどう定められているか
類似性チェックの有無既存著作物との類似を確認する工程が制作フローにあるか
権利帰属の明記契約書に成果物の著作権の帰属先が明記されているか
侵害判明時の対応第三者の権利侵害が判明した場合の責任分担が定められているか
学習データへの配慮学習データの出所について、人材側が説明できる状態にあるか

ここまでの内容を、自社の依頼として整理してみませんか

課題が固まっていない段階でも、実務でAIを使える人材への依頼内容を一緒に整理できます。

費用感と進め方を相談する

契約書に盛り込んでおきたい実務上の観点

契約書を作成・確認する際は、以下のような観点を担当者間で共有しておくと、後々の認識齟齬を防ぎやすくなると考えられます。

  • 成果物のうち、生成AIによって作られた部分とそうでない部分を区別できる状態にしておくか
  • 万一、第三者から権利侵害の指摘を受けた場合の対応フロー(修正・差し替え・費用負担など)を事前に取り決めておくか
  • 生成AIツールの利用規約が変更された場合の対応方針をどちらが確認するか

これらはあくまで実務上検討しておきたい観点であり、契約書の具体的な文言や責任分担の設計は、案件の性質や取引条件によって適切な内容が異なります。契約書の作成・レビューは、必ず弁護士など専門家に相談したうえで進めることをおすすめします。

人材選定の段階でも確認しておきたいこと

権利関係の整理は契約書だけで完結するものではなく、発注する人材自身が生成AIの権利関係についてどの程度理解し、説明できるかも選定時の判断材料になります。過去の制作実績において、利用規約の確認や類似性チェックをどのように行ってきたかを具体的に説明できる人材であれば、発注後のリスク管理もしやすくなると考えられます。

マーケティング業務全体でAI人材を活用する際の考え方については、マーケター×AI人材のページでも、クリエイティブ制作を含めた業務の任せ方を紹介しています。あわせてご参照ください。

まとめ

AI生成を使うクリエイティブ人材への発注では、生成ツールの利用規約、既存著作物との類似性チェックの実施有無、契約書での権利帰属の明記という3つの観点を事前に確認しておくことが重要です。AI生成物の著作物性や類似性リスクについては現時点でも議論が続いている領域であり、本記事の内容は一般的な実務上の確認ポイントの整理にとどまります。個別の契約設計や法的な判断については、必ず弁護士など専門家への確認を行った上で進めることをおすすめします。

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課題整理の段階から、実務でAIを使える人材の活用方法を相談できます。

  • 相談した時点で契約は発生しません。
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